宇宙を神が作ったとする大きな証拠となるのは、ファインチューニング(微調整)説です。すなわち、宇宙は細かく見れば見るほど、実にうまく調整されており、そうでなければ、地球も生命もあり得ないのです。
「かりにもし私たちが原子核の結合を規制している核力の強度を1%でも増加させたら、水素の原子核から自由な状態からとどまるあらゆる可能性を奪うことになります。つまりそれは他の陽子や中性子と結びつき、重い核をつくります。そうなると水素はもう存在しないし、酸素と結びついて生命の発生に不可欠の水をつくることもできなくなります。逆にこの核力をほんの少し減じたとすれば、今度は水素の核融合が不可能になります。核融合がなければ、太陽もエネルギー源もなくなり、生命も生まれないのです。」(ジャン・ギトン他、神と科学、新評論、84-85頁)
「もし宇宙の主要な定数--例えば重力定数やその速度やブランク定数--の一つがその起源においてほんのわずかでも変化をこうむっていたら、宇宙に生命や知性を持ったものが住むいかなる確率も存在しなかったし、おそらくそれが現れることさえなかったであろう。
この気の遠くなるような調和が純然たる「偶発時」であろうか、それともそれは私たちの実在を超えた一つの創造的知性、一つの「最初の原因」が望んだ結果であろうか?」(同、74頁)
「現実には、どの法則も星や人間が生まれるのに「ちょうどよく」できています。知能を持った生命体がいなければ物理法則も考えられないので、当たり前といえば当たり前なのですが、これはやはり不思議なことでしょう。どう考えても人間が誕生しない可能性のほうが高いのに、私たちはこうして存在している。偶然にしてはできすぎです。そのため物理学者の中には、自分たちの研究している基本法則や物理定数などが、すべて「人間が存在できるようにつくられている」と考える人も出てきました。」(村山斉、宇宙はなぜこんなにうまくできているのか、講談社、 176-177頁)
私には、宇宙が自然にできたとはどうしても思えないのです。限りなく知性のある方が創ったのです。