牧師便り

 << 心は神を示す  |  目次  |  永遠を想う >>
聖書が語る健康メッセージ 医学博士・米国公衆衛生学博士 水上 治
意識の不思議

朝起きて目を開けると、眼前に立体的でフルカラーの視野が開けます。自分を中心に、五感、即ち視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚すべてが動き始めます。

まず天井が見えます。自分の寝室が見えます。着替えます。トイレヘ行きます。家族と会話します。朝食を食べます。そして職場なり、学校へ向かいます。外を歩くと、全てが立体的に詳細に見えます。視力が正常である限り、最近登場した4Kのテレビ画像よりも生き生きと見えます。歩くとどんどん景色が動きます。遠くから近くから、様々な音が聞こえます。人の声、車の音、風がそよいで、木がささやく音、自分の足音。駅に着き、電車の音と共に電車が迫ってきます。混雑の中電車に乗ります。

我々は意識下で、時々刻々、好み、愛し、想像し、握手し、尊敬し、触れ、食し、飲み、味わい、咀嚼し、聴き、奏で、記憶し、読み、書き、話し、叫び、運動し、感動し、驚き、喜び、悲しみ、飢え、満腹し、記憶し、判断し、分析し、泣き、直感し、予想し、望みます。我々の日常はこういったことの連続ですが、一つ一つはすべて脳が司っています。

そして極めて不思議なのは、これらを経験している自分があることです。意識があることです。

これらは当たり前と人は感じていますが、ちょっと考えてみて下さい。なぜ自分があるのでしょうか。なぜ意識があるのでしょうか。興味深いのは、自分を見つめ分析している別の自分もあることです。

意識はコンピュータでは絶対に創ることが出来ません。しかし人間の脳は簡単にやってのけます。脳は超精密な情報処理装置なのです。実は科学全体での最大の謎と言って良いのが、「なぜ意識があるのか」、と言うことです。

意識を科学的に説明しようと、コンピュータで作り出そうとする科学者の努力を否定しませんが、意識は神が与えてくださった、と考えることが実は一番科学的なのです。


 << 心は神を示す  |  目次  |  永遠を想う >>