牧師便り

一年の計は元旦にあり  :  久保 司 牧師
 

新しい歌を主に向かって歌え。
主に向かって歌い、御名をたたえよ。
日から日へ、御救いの良い知らせを告げよ。

旧約聖書・詩篇96篇1~2節(新共同訳)

「一日の計は朝にあり、一年の計は元旦にあり」(物事をうまくやるためには「計画」というものがなければならない。一日をうまく生きるには朝に、また一年を充実したものにするためには1月1日の朝に、それぞれ計画を立てるべきである。計画しないで行うのは無理、遅れた計画も無意味である。)

もし、あなたが今、「計画」のない人生を送ってしまっているとしたら・・・
おそらく、あなたの人生は、つまらないものになってしまうのでしょう。
「計画」を立てようとする際に、私たちが先ず考えるのは「目標」です。別の言葉に置き換えますと「夢」とか「希望」等と表現することができるのではないでしょうか。

自由学園の創設者でありました、羽仁もと子先生は、「夢なくして新しい年を迎えてはならない。」と言われました。
新しい年を迎えながら、その年に夢を持って望まないなんて、なんて悲しいことなんでしょう。人間は常に成長してゆこうとする草花のようなものです。美しい花を咲かせるために、一所懸命生きています。
その花は、道行く人々の目を楽しませ、心に優しさ、温かさを与えます。決して自分のために美しく咲くのではありません。人々の幸福のために自由に生きているのです。

アメリカの教育家で、盲聾唖の三重苦を克服し、社会事業に貢献した、ヘレン・ケラー女史は、「希望は、人を成功に導く信仰である。希望がなければ、何事も成就されるものではない。」と語っています。
希望は私たちの心に力を与えます! 悲しみや困難に、心が押しつぶされそうに感じるとき、人生を諦めようとしたとき、裏切られ失望しているとき、そこに一筋の希望を見いだせたらどうでしょう?
朽ち果ててしまいそうな心に、力が注がれます。その力は神経や血管、筋肉に骨格に、身体の全ての細胞に、力をみなぎらせるのです。
そして、これらの「希望」は古より各時代の人々に幸いを与え、更に時空と地域を越えて、現代の私たちに至るまで力を与えています。
神様が、私たち一人一人に、与えんが為に約束し用意して下さっている、大きな祝福に向かって「夢と希望」をもって新しい年をスタートしましょう。