
『置かれた場所で咲きなさい』という本があります。その中で著作の渡辺和子さんは、「花として咲く」とは、「神様に導かれた所で、一生懸命心を尽くして生きる」ことだと語っています。そして「咲く」とは、「自分が幸せになり周囲の人を幸せにすること」だと言います。
私たちも、そのように生きられたら、どんなにすばらしいことでしょうか。
しかし現実には、花を咲かせたいと思っても、咲かせることができないような状況に置かれることがあります「自分のことで精一杯になり、周囲の人のことを考える余裕を失ってしまうこともあるでしょう。子育てや仕事、思うようにいかない人間関係の中で、「こんなはずではなかった」と感じることもあるかもしれません。
渡辺さんは、そんな時についても語っています。「どうしても咲けない時もあります。雨風が強い時、日照り続きで咲けない日、そんな時には無理に咲かなくてもいい。その代わりに、根を下ヘ下へと降ろして、根を張るのです。次に咲く花が、より大きく、美しいものとなるために」と。植物が美しい花を咲かせるためには、見えないところでしっかりと根を張る時間が必要です。

きれいな花は、年中咲いているわけではありません。むしろ花の咲いている時期は短く、根を張って十分な養分をとり、葉をつけて光合成をし、活力を得る時期の方が長いのです。
私たちの人生も同じなのかもしれません。うまくいかない時期は、決して無駄ではなく、次に咲く花のための大切な備えの時です。そのような時にこそ、心が整えられ、何が大切なものなのかを知り、愛が深められる機会となるのです。
もし今、つらさの中におられる方がいらっしゃるなら、その時もまた意味のある時間であることを、そっと覚えていただけたら幸いです。皆さまの毎日が、やがてあたたかな花を咲かせる歩みとなりますよう、心よりお祈りしております。

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