平賀 和弘 牧師

生涯の日を正しく数え  :  平賀 和弘 牧師

「もう11月。今年も残すところあと2か月。時が過ぎるのは早いですね。」この時期になると、そんな会話を交わすことが多くなります。子どものころは1年が長く感じられたのに、歳を重ねるにつれて1年があっという間に過ぎるように感じるのは、なぜでしょうか。

やるべきことに追われて忙しいことや、毎日が同じような繰り返しになり、新しい経験が少なくなることなどが、その理由として考えられています。しかし、時間が速く過ぎると感じ ることは、私たちに大切なことを教えてくれるのではないでしょうか。それは、一日一日が、二度と戻ることのない、かけがえのない時間であるということです。

詩編の作者は、

 

健やかな人が八十年を数えても得るところは労苦と災いにすぎません。瞬く間に時は過ぎ、わたしたちは飛び去ります

旧約聖書 詩篇90篇10節(新共同訳)

と記しています。そして、

 

生涯の日を正しく数えるように教えてください。知恵ある心を得ることができますように

旧約聖書 詩篇90篇12節(新共同訳)

と祈っています。

この祈りは、時が瞬く間に過ぎることを嘆いたり、残された日々を数えて不安になったりするものではありません。限りある人生を神様の前で正しく受け止め、何を大切にして生きるべきか、その知恵を求める祈りです。

私たちは、今日という一日を神様から与えられた恵みとして受け取ることができます。家族と交わす何気ない言葉、誰かのために祈るひととき、困っている人に差し伸べる小さな手。そうした一つ一つの出来事の中に、喜びや神様の恵みを見出すことができます。時の流れは止められません。しかし、その一日をどのように受け取り、何を大切にして生きるかは、私たちに委ねられています。

今年も残り少なくなりました。これまで導いてくださった神様に感謝しながら、今日という一日を大切に歩んでいきたいと思います。日々、神様の愛を受け取り、その愛を隣人と分かち合う生涯でありますように。