聖書の奇跡

奇跡は自然の法則に反しない(2)  :  聖書の奇跡

イエスによる癒しの奇跡は信じがたいでしょうか。

「ある意味では、いかなる医者も決して病気を癒しはしない。このことを誰よりも先に認めるのは、ほかならぬ医者自身である。魔術は医術のうちにあるのではなく、患者の身体のうちに--自然の治癒力、すなわち、自然の回復的もしくは自己矯正的エネルギーのうちに、あるのだ。治療法のやることは、自然の機能に刺激を与えること、あるいはそれを妨げるものを取り除くことである。われわれは便宜上、医者が傷を癒すとか、手当がこれを癒すとか言う。しかし別の意味では、すべての傷は傷自身がなおすのである。死体の傷は決してなおりはしない。それが惑星たちのかじを取るときには、これを引力と呼び、生ける肉体を癒すときには生化学的とわれわれが呼ぶ、あの同一の神秘的な力があらゆる回復の動因である。そして、そのエネルギーはまず第一に神から出たものである。癒されるものはみな神によって癒されるのだ」

(C・S・ルイス 奇跡 225-226頁、みくに書店)

軌跡は自然o法則に反しない

病気の癒しは神が我々の体に与えたもう自然治癒力によりますから、神がこの力を強めれば、瞬時の癒しも造作ないことです。ですから、奇跡的な癒しは、非科学的ではありません。

ノーベル医学・生理学賞受賞の医師が1902年に、フランスのピレネー山麓ルルドで不思議な体験を持ちました。腸結核で危篤状態の少女マリーがルルドの泉に入ったとたん見る間に癒されるのを彼は目撃しました(アレクシー・カレル ルルドヘの旅・祈り 43‐74頁 春秋社)。

それは彼の人生を変える大体験で、渡米して研究者になるきっかけとなったのです。私は彼の「人間、この未知なるもの」を長年愛読しています。極めて洞察に富んだ私の医療の原点を示唆する本です。

現在、ルルド国際医学委員会によって認められている奇跡例は68例とのことです。医学的に考えられない治癒例です。