牧師便り

オーストラリア研修に参加して  :  池増 牧師

10月下旬から2週間、オーストラリア教会研修に7名の牧師たちと参加しました。その国土面積は769万平方キロメートルの、地球上最大の島であり、最小の大陸です。ロシア、カナダ、中国、米国、ブラジルに次ぎ、世界で6番目の広さですが、人口はわずか約2000万人。日本の国土の27倍、人口は6分の1です。大都市はともかく、郊外の住宅地には樹木も多く広々とした庭付きの平屋の住宅が建ち並んでいます。私たちが滞在した宿舎も環境に恵まれていて、いろいろな種類の大型インコたちの大きな鳴き声で目を覚まし、毎朝散歩を楽しみました。とにかく広々としていて気持ちまでおおらかになります。

さて、今回の訪問先はブリスベン(クイーンズランド州の州都)とシドニー(ニュー・サウス・ウエールズ州の州都)周辺の13の教会でした。

オーストラリアは西欧からの移民が多い国ですが、全人口に占めるクリスチャンの割合は20%で必ずしもキリスト教国家というわけではありません(日本は1%弱)。近年は他の先進諸国同様、世俗化が進み、国民の特に若者たちの宗教離れが増えているそうです。そうした中で私たちが訪問したどの教会もとても温かく歓迎してくださり、そこでなされているプログラムには興味津々でした。

礼拝日、ある教会で聖書の学びのクラスに出席したときのことでした。すでにクラスが始まっていたので遠慮がちに後ろの方に腰掛けようとしたとき、初老の黒人男性が「兄弟、どうぞこちらへ、私の横にお掛けなさい。私たちは同じ家族の一員です」と包み込むような笑顔で声をかけてくださいました。後で昼食をともにしたのですが、彼は19歳のとき南アフリカから移民してきて今は小児科医として開業しておられるとのこと。はじめてこの教会に来たとき同じように迎えられたそうです。450人ほどが出席する大きな教会でありながら、はじめての来訪者に個人的な関心を示してくださることに心熱くしました。またそれぞれの教会が地域に住む方々の幸せのために様々なボランティア活動をしておられる姿に本当に頭が下がりました。

我が小金井教会もいっそう皆様方を温かく迎えられるよう努めてまいりますので、どうぞお気軽にお立ち寄りください。