牧師便り

涙  :  池増 牧師

寒い日々が続いていますが、皆さまお元気でいらっしゃいますか? 東北や甲信越では昨年末以来、例年にない降雪で100人以上の方々が犠牲になっています。住まいを、愛する者を失って途方にくれている方々のうえにお慰めとお支えをお祈りいたします。

私たちの人生にも厳しい冬のような試練のときがあります。私事になりますが、ここ数週間の間にとてもつらい経験をいくつも味わっています。前任地の教会で心を一つにして働いてくださった親しい信者さんの突然の訃報でした。しばらく音信がなく、家内からぜひ一度電話してあげてねと言われていながら、そのうちにと思っていた矢先のことでしたので、自らの怠慢を大変悔いています。さらに知人の自殺未遂、そして私の友人から、「先生、今日病院に検査結果を聞きに行ったら、癌だと言われましてね。どうも転移している可能性が高いと言うのです。明日から精密検査です。家内は涙を流しています。神様が53歳で人生終わりだと言われたらそれを呑むしかないですが、先生の祈りの端に覚えていただいたら感謝です」との電話を頂きました。「端ではなく、真ん中に入れてお祈りします」と平静に応えたものの、彼や奥様の心中を察すると涙があふれてきました。その他にも心痛む出来事が重なって私の心もすっかり曇天模様になってしまいました。

これが人生なのかもしれませんが、どうして人はこんなにも悩みや苦しみを背負いながら生きていかねばならないのだろうと叫びたくなることもあるでしょう。切なくて涙が止まらないこともあるでしょう。

水分と少しの塩分が含まれている涙にはストレス物質が溶け込んでいるのではないかと考えられています。涙は副交感神経の働きで流れます。副交感神経はリラックスの神経で、涙を流すことによってストレスも一緒に流しているのかもしれません。おしゃべりと笑いはストレスを解消し、免疫力を高めることは周知のところですが、涙にもその効用があるようです。「泣くまいとこらえるからうつ病になるのだ」と医師で作家のなだいなださんは言っています。

さらに聖書には、神様が私たちの苦悩の涙を覚えておられるという慰めの約束があります。

「神様は、私が夜通し寝返りを打っているのをご存知です。
神様は私の涙を一滴残さず、びんにすくい集めてくださいました。
その一滴一滴は、余すところなく、神様の文書に記録されています」

詩篇56:8 リビングバイブル