牧師便り

聖書のラブソング(2)  :  山口 豊 牧師

近年秋が短くなってきた気がします。暑いのが10月まで続いていたと思ったら、11月には急に寒くなって来ます。日本には四季があり、それぞれに好きな季節があったり、春夏秋冬それぞれの好きな所、嫌いな所があったりするのかもしれません。

ですが、天高く馬肥ゆる秋という言葉があるように、秋の空は本当に高い気がします。暑すぎず、寒すぎず、湿度がなくちょうどいい陽気に雲がない空を楽しむことができるのは秋ならではないでしょうか。

また、うろこ雲というのも秋を思わせてくれるものです。秋の空とは関係ないですが、雨の降ったあと空にかかる虹はわたしたちの目を奪います。浮かんでいるように見える虹を見て人々はいろいろな感想を持ちます。

この虹は、水滴に光が入ってプリズムの効果で7色に見えるんだということは、科学的にはわかってはいても、実際に見てみると心奪われます。

聖書には、世界で一番初めの虹のことが書かれています。創世記のノアの箱舟のお話です。天地が創られたあと、地上には雨が降ったことがありませんでした。そのため、神様が洪水で世界を滅ぼそうと言われたとき、信じる人はありませんでした。しかし、神様の言われたとおり、雨が降り大洪水が地を覆い箱舟に入ったノアの家族と動物たちが救われました。雨があがった後、神様はノアにこう言われました。

 

あなたたちならびにあなたたちと共にいるすべての生き物と、
代々とこしえにわたしが立てる契約のしるしはこれである。
すなわち、私は雲の中にわたしの虹を置く、
これはわたしと大地の間に立てた契約のしるしとなる。

旧約聖書・創世記9章12、13節(新共同訳)

そして、この虹が出るときに、神様がもう一度洪水でこの世界を滅ぼすことはないと言われました。これ以降いまでも局地的な洪水はあっても全世界的な洪水はありません。ノアの洪水の一度だけでした。

ですから、神様を知る人にとっては虹が出ると神様とわたしたちの約束を思い出します。そのことを思い出してほしいと空には虹がかかるのです。文明が発達した現代の空にも、昔から神様がわたしたちと交わしてくださった証しとして、虹がかかります。これから虹がかかった時、神様が私たちにしてくださった約束を思いだしてみましょう。