この度の転勤で、6回目の引越しとなりました。東京中央教会でのインターンを皮切りに南は沖縄、北は岩手と暮らしておりますと、様々な経験をいたします。そんな中で一つの出来事をお証ししましょう。
沖縄で5年間の働きを終える一ヶ月前のことでした。私はとっても素晴らしい贈り物をいただいたのです。
教会に屋比久マカさんという、当時94歳のご婦人がおられました。沖縄は全国でも屈指の長寿県で大変お元気な方が多い場所です。マカさんもその例に漏れず大変お元気で、高齢にもかかわらず、毎朝背筋を伸ばして笑顔いっぱいで散歩されるのが日課でした。すれ違う人たちが「おバア、今日も元気だね~」と声をかけますと、彼女はいつも「神様信じてるからね~、こんなに元気なんだよ」と答えていました。
そんなマカさんが、安息日礼拝をお休みされました。お宅に訪問しましたら、腰を痛めて臥せっていたのです。訳を尋ねると、お天気が良かったので畑の草取りをいつもの2倍したそうで、それで腰を痛めてしまったようでした。元気のない彼女は「先生、私は腰を痛めたから元気がないんじゃないよ。杖をつかないと散歩が出来ない。神様のことを証しできなくなってしまい、それが恥ずかしい。」そう言って塞ぎこんでしまいました。
そんなマカさんのことが気がかりで、沖縄を離れる一週間前に再び訪ねてみました。私の顔を見るなり、待ちかねたように明るい声で「先生、私はね~、間違ってたよ。元気だってことを自慢してた事に気がついた。神様を証ししてるつもりで実は健康である事を誇っていた。だからたくさん悔い改めをしたよ。先生、私は一からクリスチャンをやり直す。杖をついてでもみんなに神さまの事を伝える。」94歳のおばあちゃんの再出発。まさに「初心忘るべからず!」
この時以来、私は新しい任地に赴く度にマカさんの言葉と笑顔を思い出します。私にとってこの贈り物は何ものにも代えがたい大切な宝物です。
小金井教会の皆さんと、牧師一年生の気持ちで働きをさせていただきたいと思っています。よろしくお願いいたします。
悔い改めて初めのころの行いに立ち戻れ。