牧師便り

ストレス  :  久保 司 牧師

ストレス過多の現代社会に生きる私たちは、常に心身の健康状態を保つ必要を感じます。

私事ですが、今から25年前、仕事から来るストレスで体調を崩したことがあります。微熱が続き、咳が止まらず、体もだるくて昼食後、ベッドで少し横になるつもりが気がつくと夕方になっていたり、常に強い疲労感を感じていました。そんな状態が数ヶ月続きましたので、病院で精密検査を受けたり、結核を疑い肺の内視鏡検査までしたのですが、特に異常は見られませんでした。その結果、診断書には「慢性疲労症候群」と聞き慣れない病名が記されていました。

私たちはストレスを全く受けないという事は考えられませんが、ストレスをどのように解消し、うまくつき合っていくかを知る事は大切だと思います。一般的なストレス解消法を、あれこれ考えるよりも、もっと素晴らしい方法を神様は私たちに示しておられます。

イエス・キリストのストレス管理法

イエス様も多くのストレスを受けていました。それは私たちよりはるかに大きかったと思われます。どのようにイエス様は、そのストレスを上手く管理されていたのでしょう。

  1. 密室の祈り:何事からも干渉されない時間と場所を、イエス様は常に確保していました(マルコ6:31)。神と一対一で憩うことのできる祈りの場所は、私たちにとっても大切です。
  2. 自然の中に身を置く:神様が私たちのために造って下さった第二の聖書といわれる「自然」の中に身を委ね、自然の中に記されている神様の愛に触れることは、真に心を安らげます。
  3. 友との交わり:イエス様は心を寄せて、楽しく過ごすことのできる友がありました(ベタニヤのラザロ、マルタ、マリアの兄弟姉妹)。遠慮なくつき合うことのできる友は、大きな力であり支えです(マタイ21:17)
  4. 教会:教会は地上の小さな天国を目指す場所であると思います。そこに神様の臨在、礼拝と讃美、信仰の友との善き交わりを求めます。イエス様は、しばしば神殿に赴き、ゆっくりと時を過ごされました(マルコ11:11)

互いに苦しみを和らげる

イエス様は、サタンによって苦しめられている全ての人々のために、自分を捨てて奉仕し、その苦しみから救い出して下さいました(使徒10:38)。真のストレス解消法は、無我の精神による奉仕の喜びを得る事です。これは他者の必要を満たし、ストレスを和らげるだけでなく、自分自身のストレスも和らげます(フィリピ2:4)

我が我がという気持ちを捨て、他者の必要を顧み、それにどのようにして応えられるかを考える。愛を、しかもできるだけ高く純粋な愛を目指す。実は、私たちの心が内側に向いている時、ストレスはたまっていくばかりではないかと思います。神様に心を向けた時から恵みは始まり、神様に委ねられた時に救いの確信を得ることができます(ガラテヤ6:2)。この救いこそが、究極のストレス解消なのかもしれませんね。