久保 司 牧師

かけがえのないあなたに  :  久保 司 牧師

「神は御自分にかたどって人を創造された。神にかたどって創造された。男と女に創造された。」

旧約聖書創世記1章27節

「神にかたどって」とは? おそらくビジュアル的な意味での「かたち」ではないでしょう。神様は自ら思考し、意思をもち、意図したとおりに実行し、自由意志と、独自の人格をお持ちになっています。固有の人格があり、自由意志があるという性質において、人は神様と似たものに創造されたのです。

あるところに小さな男の子がいました。図工の授業で先生が児童たちに言いました。「今日はみんなで絵を描きます。」男の子がクレヨンで書こうとすると、先生が言いました。「まだ始めないで、ちょっと待ちなさい。」先生は教室を見回しながら、絵を描く準備ができたか確かめました。「はい、いいですよ。今日はお花を描きましょつ。」
男の子は、色とりどりの花を書きはじめました。その時また、先生が言いました。「みんなこっちを見て!お手本を描きます。こんな風に描くんですよ。さあ、始めなさい。」
その時男の子は、自分の描いた花の方がずっと好きだと思いました。でも、何も言わずに、お手本通りに書き直しました。やがて、どんなことでも、先生のお手本通りに真似することを覚えました。そして、自分の好きな事をしようとは思わなくなってしまいました。

ある日のこと、男の子は、新しい町に引っ越しました。新しい学校での一日目の事でした。先生が児童たちに言いました。
「今日は、みんなで絵を描きましょう。」男の子は、先生の指示をじっと待っていました。でも、先生は何も言いません。ただ、児童たちの間を歩きながらそれぞれの絵を見てゆくだけでした。
男の子の所に先生がやって来ました。
「どうして絵を描かないの?」
「描きたいけど、何を描いたらいいの?」
「何でもいいよ。描いて見せてくれないと何の絵になるか解らないからね。」
「どうやって描けばいいの?」
「好きなように描けばいいんだよ」
「どの色を使っても良いの?」
「もちろん!もし同じ色でみんなが同じ絵を描いちやったら、どれが誰の絵だか先生にわからなくなっちゃうよね。」
「僕にもきっと解らなくなるだろうな・・・」
そうつぶやくと、男の子はクレヨンを出して、色とりどりの花を書き始めました。

神様は私たち一人一人に個性を備え、他の誰でもない自分というオリジナルとして私を創って下さいました。神様は一人一人を大切に作ってくれたのです。みんな同じだったら、誰か一人いなくたって気付いてもらえないかもしれません。しかし、神様は私を私、あなたをあなたとして創造して下さったのです。(次回に続く)