牧師便り

上手な「気分転換Jを  :  久保 司 牧師
 

すべて、疲れた人、重荷を負っている人は、わたしのところに来なさい。
わたしがあなたがたを休ませてあげます

新約聖書・マタイによる福音書11章28節(新共同訳)

毎年私は晩秋の頃、一人でキャンプに出かけています。この頃のキャンプ場は、シーズンオフと言うこともあり貸し切り状態の場合が多いのです。

ここ数年は、富士五湖の一つ「本栖湖」に出かけていますが、神様の創造された美しい自然の中にどっぷりと浸かりながら魂の洗濯を試みています。

キャンプ

昼間はカヤックで湖の上で過ごしたり、自転車で湖の周りを風を感じながら走ったり、夜は温泉にゆっくり入った後、焚き火をしながら自然の中から耳に届く音を楽しみながら過ごします。神様が創られたものには不思議と癒しの効果があるようです。

私たちの脳の仕組みを考えてみましょう。ストレスを抱えていますとストレスの元になっているものに意識が行ってしまいます。問題を解決することは重要ですが、その事ばかりに意識を向けていると、ストレスの対象に自分がはまり込んでしまい、問題の核心が見えにくくなる事がよくあります。

そこで、別の事に意識を向けるようにする事によって、一時的にストレスの対象に意識が向かないようにして、心の余裕を作ります。それが「気分転換」です。

例えば、仕事の事で深く悩んでいるような時、あえて旅行にでも行ってみます。一種の逃避ですから、根本的な問題が解決するわけではありません。
しかし、旅行中に、素晴らしい風景を見たり、美味しいものを食べたりしている間は、一時的に仕事の事を忘れる事ができます。そんな事から、気持ちの余裕が生まれたり、視野が変わったりして、仕事上の問題解決に役立つ良いアイデアが生まれてくる事もあります。

別の言い方をするなら、「気分転換」は一種の「脳の休息」と言う事もできます。そうしている間は「遊び脳」が活性化され、「仕事脳」は活動が低下し休んでいるようなものです。休息をとった「仕事脳」で問題解決策を考えれば、新たな解決策が見つかる可能性も出てきます。

聖書には更に最善な「気分転換」として、神様に私たちの持つ問題を委ねなさいと教えています。それには神様に対する確かな信頼が前提となりますが、神様の前に安心して心の重荷を下ろし、魂の休息をさせていただき、また元気に人生の旅路を歩んでいけましたら幸いです。

 

あなたの重荷を主にゆだねよ。
主はあなたを支えてくださる。

旧約聖書・詩篇55篇23節(新共同訳)