牧師便り

人間関係の回復を求めて  :  久保 司 牧師
 

一切高ぶることなく、柔和で、寛容の心を持ちなさい。
愛をもって互いに忍耐し、平和のきずなで結ばれて、霊による一致を保つように努めなさい。

新約聖書・エフェソの信徒への手紙4章2~3節(新共同訳)

最も身近であり大切なのですが一番気を使い難しいものがあります。それは「人間関係」です!

実は、神さまは最初に理想的な人間関係を築いて下さいました。エデンにおける人の関係は、愛と喜びに満ちていました。しかし、人が罪を犯してしまった後、その関係は理想を失ってしまったのです。自己中心の精神が心に忍び込み、信頼は不信に、お互いの関わりはストレスに、そして最も複雑で難しい問題へと変化してしまいました。

神様が私たちの中に回復したいと願っているのは、お互い(神と人、人と人)の信頼を取り戻し、絆を深め、愛によってむすばれた関係を築く事による、平安と喜びと希望なのです。

  1. 神が求められる人間の心

神様が私たちに期待されているのは、謙遜、柔和、寛容、親切という美徳を身につける事。愛をもって忍耐する事。平和をもってお互いの絆を深める事。神様を求める事によって心を一致させていただく事です。
特に親切と謙遜な精神は人の心を変える力があります。聖書には悪意や侮辱に対して祝福で返す事が勧められています。私たちに求められるのは、祝福を祈る事であり、決して報復や呪いをもたらすものではないのです。

  1. 人間関係のトラブルを解消するには

赦す赦すとは完全に忘れる事。最初から無かった事にする事です。私たちは、神様が赦して下さったように、互いに赦し合う様に求められています。お互い弱さを持っている者として(お互い様)憐れみの心、親切心をもって赦しあいたいものです。そうすると心の重荷が取り去られ癒しに繋がります。

罪の告白私たちは、赦してもらうために、罪を告白する事が必要です。しかし、迷惑をかけてしまった相手を前に、告白するのは大変勇気がいるものです。赦してもらえなかったら… 怒鳴られたら… ののしられたら… 何か求められたら…など、思い煩ってしまいます。自尊心が傷つけられ、悪い評判が立つのではないかと恐れてしまいます。しかし、それでも自分の非を認め、迷惑をかけてしまった事を告白し謝罪する必要があります。「告白」は勇気ある人間だからこそ出来るのです。

人間造り善い人間関係を築く事は、人間を造り上げる事です。お互いに裁き合うことを止め、互いを向上させるための勧告を思いやり深くなされてゆくとき、人間関係は良好となり、向上してゆくでしょう。