牧師便り

価値あるものを見出す喜び  :  久保 司 牧師
 

また、天の国は次のようにたとえられる。商人が良い真珠を探している。高価な真珠を一つ見つけると、出かけて行って持ち物をすっかリ売り払い、それを買う。

新約聖書マタイによる福音書13章45~46節(新共同訳)

人の価値観はそれぞれ違いますが、その価値観を尊重することも大切です。

それにしても、価値あるものだと思っていたものが、ある日その価値が薄れてしまうことがあります。それは、もっと価値あるものを見つけた時です。

宝物

紀元1世紀、イエス・キリストがおられた頃、死海の北西部に位置する古都エリコに、ザアカイという男がいました。彼はローマ政府から税金の取り立てを委託された徴税人の頭でした。当時、徴税人は売国奴として軽蔑されていました。それゆえ自分の立場を守るために金儲けに価値を見つけ、そのためなら不正も行っていたのです。当然、多くの人々から嫌われて、寂しく空虚な人生を送っていました。

そのザアカイに人生の転機が訪れます。それがイエス様との出会いでした。ある日、エリコにイエス様が来られるという知らせを耳にした彼は、興味半分に往来に出ました。彼は背が低いため人垣でイエス様と弟子たち一行を見ることができませんでした。そこで彼は、近くのいちじく桑の木に登ります。

イエス様とザアカイの出会いはザアカイの必死の努力が実を結んだものではありませんでした。それはイエス様が「上を見上げる」ことによって起こったと聖書は記しています。

私たちの方にイエスが目を向けてくださったからこそ、私たちと神様との関係が回復され、救いを受けることができるのです。

その日、イエス様はザアカイの家に泊まり交わることによって、彼にもっと大切で尊い価値観を示されたのです。神様を愛し、その神様が愛している人々を愛することがいかに幸せなのかを知ったのです。彼は、真心から変わりたいと望み、今までの生き方を悔い改めました。

私たちも改めてイエス様と出会い、信じる者とされ、神様に用いられることを確認したいと思います。

「仮面ライダーカード」1971年から73年1月までカルビー製薬が販売していた「仮面ライダースナック」(20円)のおまけ。ちなみに写真のカードはメルカリで現在26.000円で出品されている。

エリコに残るザアカイが登ったとされるイチジク桑の木